新潟市 新津美術館企画展

annon2007-09-05

五味太郎作品展「絵本の時間
開催期間 平成19年9月5日〜平成19年10月21日

およそ350冊もの著作を発表し、子供から大人まで幅広いファンを持つ五味太郎さんの絵本原画展です。
場所は、おなじみ新津美術館です。地元の美術館より通っています。本当にもう、何で地元に建っていないのかなあ。

久しぶりの新津。今回はちょいと早め、9時頃到着しました。同じ敷地に新潟県立植物園。展示販売する新津フラワーランドを併設する新津美術館は、全部の施設が里山に建っています。美術館の裏は、小高い丘になっており、遊歩道が整備されています。
されているんです…。んで、これがまた、時間がないと歩いてしまうんだなあ。また、美術館に入る前にクタクタになるパターンかしら。
とはいえ、天気は上々、トンボが飛び、バッタも滞空時間の長い飛行をする丘の上は、結構気持ちよかったです。

さて、開館時間の10時。受付に行くと、「幼稚園の一団が見学に来ているので、少々うるさいですよ。」とのこと。
いやあ、だって絵本展ですし、小さい子が来るのは当たり前ですよね。それでうるさいから気がもめるなんて言ってられません。むしろ、うるさいくらいがちょうど良いです。

展示室1。最初の展示が、「みんなうんち」。
いきなりですね〜。ただ、教育くさくない、それでいて、独特のテンポのあるこの作品からスタートするってことが、展示会全体の雰囲気を決めていますね。
そして、「ぽぽぽぽぽ」「ことわざ絵本」と続いています。

それぞれの作品が、五味さんの本「絵本を作る」から抜粋された解説文とセットに展示されています(注:全作品に五味さんの解説が付くわけではありません)
絵本を作る
そこにある言葉が、この絵が、絵として生まれたのではなく、絵本になるため生まれてきたことを物語っています。
漠然とした配置ではなく、それぞれ意味がある。作品中のキャラクターの動き。
ページをめくり、移動する目線に無理が無いよう、さりげなく誘導するキャラクターの向き。
添えられた文章はあくまでもテンポなどサブ的要素であり、絵のみですべての状態を説明してくれる構成。

そして、それらを意識的に行っていること。ある程度の計算の上で、構成されている。漠然と描いているわけではないんだ、ということが伝わってきます。
なんかもう、目からウロコというか、大切なことをグサグサ教えられたような気がしますね。
そして「がいこつさん」に見られる、抜きの美しさ。キャラクターそのものが、塗りの行っていない、紙の下地のまま。白抜きの表現で描かれていることに、絵を描く上での、既存に囚われない自由な発想が、大胆な表現を生むんだなあ〜と一人ナットク。

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展示室2の入口には、ワークショップのコーナー。
らくがき絵本 五味太郎50%
五味太郎さんの作品、「らくがき絵本」を使って、来訪者に自由に作品を作ってもらうコーナー「五味太郎50パーセント」
らくがき絵本の中の作品、4種類がコピーされていて、落書きの続きを描いてもらい、作品は、ワークショップのブースに展示されるそうです。
早速なので1枚描いてみました。


おおかみさんが、ぶたさんの所に行けないように、何かを描くというもの。とりあえず、ありあわせの材料で機関車を作ってみた〜、風に仕上げてみました。

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そして展示室2。
「ねえ おはなししてよ」、「まどから おくりもの」から始まる展示です。
「ねえ おはなししてよ」話の展開が突拍子すぎて笑いました。
濃い色彩が中心ですが、うさぎさんだけが白抜きの表現で描かれているので、キャラクターがはっきりと描かれています。
とはいえ、疲れて眠ってしまったうさぎさん。この後ワニが、寝ている隙に…とか不穏な想像をしてしまって、ちょいと、ねぇ。

五味さん本人が監修したアニメーション作品が上映されていたり、絵本が自由に読めるブースが置かれていたり、充実した内容でした。


なんかもう、絵を見に来たと言うより、絵本の勉強に来た。そんな気分になる展示会でした。
よくある絵本の作り方の本が、繰り返し解説している内容そのままに、描かれています。
本にする意味。めくって、開いて、目で追って、声を出して読んで。それを自然に行えるように計算された絵。絵単体ではなく、本にすることによって意味を成す配置。全てが勉強になりました。

コレで地元に、新津美術館があれば、もう2、3回通いたいところだなあ〜。

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美術館内には、カフェスペースしかなく、食べるものはトーストセットくらいしかないので(コーヒーはオイシイのですが…)お隣、県立植物園のカフェレストランでお食事。晴れていれば、かなり良いロケーションです。園そのものは入場料が必要ですが、食事のみなら、入場料は必要ありません。

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もう一丁。今度は新津鉄道資料館です。
てか、なにこれ。規模はともかく、展示内容は、昔秋葉原にあった交通博物館並の充実ぶりじゃないですか。
平日で、お客さんが私と、もう一人くらいしかいませんでしたが、かえってゆっくりと見ることができました。
史料を保管する事が第一で、お客さんを呼び込む為の営業的な部分があまりなく、ストイックな展示方法が、かえって好奇心を刺激してくれます。

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さて最後。遠距離ドライブの疲れを癒そうと、温泉へ。

新三川温泉「寿の湯」
東蒲原郡阿賀町五十沢2598 TEL:02549-9-3677 営業時間:6:00-9:00、12:00-21:00 入浴料金:大人300円 子供150円
阿賀野川ぞいの帰り道、ちょいと北に上がったところにある温泉地。温泉宿「You&湯 ホテルみかわに併設された日帰り温泉施設です。
源泉かけ流しのお湯にゆっくり浸かって、疲れを癒します。


あと家まで3時間。ドライブだ〜。