国立新美術館 文化庁メディア芸術祭

annon2008-02-06


※思い出した順に逐次更新中

東京、早朝5時到着。まあ、早すぎますよねw
適当にマクドナルドあたりで暇つぶしていよう〜。

地下鉄日比谷線にて六本木に向かいます。ちなみに最初のイラストは、地下鉄の中で牽制しあう女子小学生。ナンダロ?ナワバリ?

六本木到着。雪が降ってますよ。それに、前に降った雪が道端に残っています。こんなに寒い東京は初めてだなあ。

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国立新美術館
第11回 文化庁メディア芸術祭
11th Japan Media Arts Festival
平成20(2008)年2月6日(水)〜2月17日(日)

世界43の国と地域から集まった2,091作品から選ばれたアート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの優秀作品、約160点を紹介。部門ごとに受賞作品と審査委員会推薦作品を展示しています。ジャンルの垣根を越えて広がり続ける“メディア芸術”の世界を一堂に見ることのできる貴重な機会です。

  • 文化庁メディア芸術プラザホームページより


様々なジャンルがありますが、映像や紙媒体など、情報を発信するタイプの作品を中心にし、その優秀作品を公開する展示会。アニメーションやゲーム、web作品はまんま映像作品ですし、アートもプロジェクターを使用した映像系がほとんど。唯一マンガ部門だけが紙媒体ですが、最近のCGへの移行を考えると、電源を使わなければ完結しない作品だけが集められている感じがします。
会場も新美術館となり、全ての展示物がワンフロアに納められています。(シンポジウム会場を除く)
会場を3フロアに分けなければならなかった東京都写真美術館よりは、幾分見やすくなった感じはありますが、ほとんどの作品が何かしら音を発生させるので、公開内容によっては耳障りな部分もありました。

会場内をぐるっと見渡せるだけに、歩きやすくて良いのですが、ほとんどが映像作品ですからディープに見ていると1日じゃとても足りないです。
会場内に設置されているメインシアターには、受賞作品が放映されているんですが、映像の切れ目が15分くらいしかなく、ここに座っているだけで1日動かなくてすむほどのボリューム(しかも、1日で全部放映しているわけではない!)しかも会場内にはミニシアターが8カ所もあり、7日から始まる3階の講堂を使った放映も入れると、全10カ所の放映設備があります。

私も、会場での7割をメインシアター周辺で過ごしてしまいました。

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アニメーション部門では「河童のクゥと夏休み」が大賞。「うっかりペネロペ」、「天元突破グレンガラン」、「電脳コイル」などが優秀賞を受賞しています。
う〜む。なんとなく文化庁の思惑が見えてきたような気がします。
秋葉原系の萌え要素を、意識的に省いているような雰囲気。
日本文化としてのアニメーションを海外に紹介するならば、たとえば、「河童のクゥと夏休み」は日本独特の民話に語られた生物「河童」を出すことにより、日本のエキゾチックさを強調できますし、「うっかりペネロペ」は、原作の雰囲気を出しながらもフル3DCGというギャップが、日本のテクノロジーはここまで出来る!といった売り込みに使えそう。

・「グレンガラン」は昔から脈々と積み重ねられたジャパニメーションの表現。それの集大成。ジャパニメーションを聞きかじったことがある外国人には、すんなり受け入れてもらえそうな感じ。
鉄腕アトム」とか、「マジンガーZ」とか「初代ガンダム」を知ってもらうための入り口として、最新作のグレンガランをあえて押したって事は…考えすぎかなあ。

・「電脳コイル」は、メディアアートを多く展示する今回の展示会において、近い未来実現可能な装備品の数々を紹介し、近い未来の日本を想像してもらおうという思惑があるのかも…。
電脳コイル」設定資料など


マンガ部門。大賞が「モリのアサガオ
優秀賞が「海街diary」「鈴木先生」「竹光侍」など
モリのアサガオ―新人刑務官と或る死刑囚の物語 (1) (ACTION COMICS)
海街diary 1 蝉時雨のやむ頃
鈴木先生 (1) (ACTION COMICS)
竹光侍 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
すごい。知らない作品ばかりだ…。今回のノミネート作品の中で読んだことがあるのは、「ケロロ軍曹」とか「鋼の錬金術師」くらいしかないわ。


海外に広く作品を紹介するならば、萌え要素は極力排除した方が外国の方に受け入れて貰いやすい…。そんなニュアンスを感じてしまったのですが…どうでしょうね。
ゲーム関係のラインナップも、「Wii Sports」、「メタルギアソリッド」「モンスターハンター」など、少なくともパッケージのセンターポジションに女の子が立っているゲームが何一つありません。
国の機関としての文化庁が主催しているから…といえばそれまでなんですが、この分野を産業としてとらえ、輸出する商品の、プレゼンテーションの場として展示会が使われている。
そのためには、外国人に変な勘違いをさせてしまいかねない萌え要素は、あえて見せないようにしているのかもしれません。

萌え系の作品といえば、低年齢に見えるキャラクターに、性の匂いを施した作品が目立ちますので、隠してしまいたいという気持ちはワカランでもないんですが。それとも私がオタク要素から離れられないだけなのかなあ?
正直、もっと「可愛いは正義!」的な作品があっても良いとは思いましたケドね。

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気になったモノ。
金箱淳一さんの作品、Mountain Guitar(エンターテインメント部門)

なんだろ、ノリ的には音の出る空気ギターってトコでしょうかね?
演奏するって言っても、ネックには4つのボタンがあるだけ。弦もなく、ボディには指を弾く場所にLEDが光っているだけ。
ただ、ボタンを押したり、ギターそのものを振ったり、手に持つ高さを変えることで音程を変えるので、それっぽい動きで弾くと、結構ノリの良い音が出て楽しい感じです。
ヘッドホン仕様にして、夜中にフルボリュームで弾いたらストレスなんか吹っ飛びそうです。本気で欲しいな、コレ。

坂本のどかさんの作品、ためいきまじり(アート部門)

少しクラシックなデザインの蛇口が一列に並んでいるだけの作品ですが、その蛇口を開くと、「はあん」といった溜息の声が聞こえてくる…だけの作品。
エッジの効いたアート作品が多い中、こういう脱力系の作品が無造作に置かれている事に好感を持ちました。ある意味、癒しになるかも知れませんね、溜息の声。

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第13回学生CGコンテスト
動画部門の「蒲公英の姉」がとても好きになりました。(リンク先にて動画が見られます)
人形による立体アニメーション。パッと見は、「不細工な人形だなあ」とか思っていたんですが、その動き、繊細な仕草、心情を語る時間の取り方を、ゆっくりと時間をかけて丹念に見せてくれるので、最後には、可愛くて可愛くて仕方が無くなってしまいました。泣いて肩を震わせる表現とか、なんかもう、切なくてたまんないです。
あまりにもたまんないので、ラフ描き〜

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結局、4時頃まで会場にいたかな?今回はスケジュールの都合上、シンポジウムの開催の無い日だったのが残念なのですが、まあ、十分堪能できました。次回は…出来れば2日以上時間をとって来てみたいですね。