オランダ絵本作家展

annon2008-07-16

郡山市立美術館 7月5日〜8月31日

そろそろ美術館の展示も夏休みモードに入ってきました。どちらかと言えば子供向けの展示だったり、各種ワークショップや講習、イベントなどが増えてきます。

オランダ絵本作家展
オランダといえば、チューリップと風車、運河に美しい町並みの都市風景…。オランダはまた、世界中で愛されているミッフィーを生んだ絵本の国でもあります。
中略
愛らしい主人公たちのほのぼのとした日常や不思議な物語には、きっと夢見る楽しさや新鮮な驚きがあることでしょう。楽しくて心温まる作品との出会いをお届けします。
・会場パンフレットより



ミッフィーうさこちゃん)シリーズを生み出したディック・ブルーナ。かえるくんシリーズのマックス・ベルジュイスの2大巨匠を軸に、現在活躍中の絵本作家10人を紹介する展覧会。
うさこちゃん がっこうへいく (ブルーナの絵本)
かえるくんどうしたの

オランダ出版界の乏しい資金事情から、国内の絵本作家が育ちにくい状況が続く中、巨匠達は国外の絵本原画展でさまざまな賞を受賞していく。絵本という形が国内に広く知れ渡り始めると、その絵本文化を育てるためや、若手を育てるために、「金の石筆賞」や「金の画筆賞」を創設する。
実力のあった作家や気鋭の若手は、その賞を足がかりに作品を発表していく。
今回の展覧会は、会場の入り口がブルーナ、出口がベルジュイスと2大巨匠に挟まれるかたちで順路が設定され、いろいろな作風の絵を鑑賞できます。
それぞれの作家さんが、独自の世界観をもって作品に当たっているため、その描き方、心情の捉え方も様々で、それぞれに新しい驚きをもって見ることが出来ます。代表作の絵本も自由に見られるようになっていて、飽きるまもなく、じっくりと鑑賞することができました。


さて、いつものヤツですよ〜。
ディック・ブルーナミッフィーシリーズより勝手にイメージ。

クレマチスの時にも原画を見ましたが、今回もミッフィーや楽しい仲間たちが大勢いましたよ。ブルーナさんの線は一見単純そうですが、なかなかマネできない黄金律のような正確さで輪郭を描きます。
それもそのはず、何十、何百とも下絵を描き、絶妙なバランスを図ったあと、その下絵をベースに線ではなく、点を。一つ一つの点をつなぎ合わせるように打ち、線の重なりを生み出していきます。ミッフィーは、色がついていない状態では点描画なのです。
私が描いたミッフィーも、ブルーナさんの前では、たぶん合格点を貰えないでしょうねぇ〜。

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ペッツィー・バックス「フィーンチェのあかいキックボード」より勝手にイメージ

運河の町アムステルダムをキックボードで爽快に疾走するフィーンチェ。勢い余っておっかないフェルナンデスさんにぶつかってしまいます。
その疾走感!もう、そのキックボードを貸してほしい〜!

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ヤン・ユッテ「宇宙旅行」より勝手にイメージ

ディップの見た夢は、宇宙船に乗って様々な冒険をしたこと。そのお話をゾウのオッレに話し始めます。
なんかこの宇宙船が、凄いスキ。こういうメカメカしくないレトロな機械を、子供の頃とてもスキだったのを思い出しました。


とまあ、こんな感じ。
ブルーナさん以外はほとんど見たことのない絵ばかりだったんですが、とても新鮮で楽しい展覧会でした。