トップランナー、西原理恵子の回を見た。

annon2008-11-25

厳しく鋭い観察眼、破天荒なまでの行動力、そして弱者への限りない慈悲。それらに裏打ちされた西原作品には、他の追随を許さない独特の凄みがある。
2004年『毎日かあさんカニ母編)』で文化庁メディア芸術祭・マンガ部門優秀賞を受賞。05年『毎日かあさん』『上京ものがたり』で第9回手塚治虫文化賞・短編賞を受賞。“大人も泣ける絵本”として話題の『いけちゃんとぼく』の映画化も進む西原の、波瀾万丈な生き様に迫る。
トップランナーホームページより

ぼくんち (ビッグコミックス)
メインキャスターの箭内道彦さんが、西原さんの絵に対しての感想に詰まりながら話していたのにフイタ。
「その…(沈黙数秒)ものすごく…緻密な…絵じゃないですよね。目とか口とかこんなだし」発言に対し、西原さんの「お芸大様に言われちゃった。」発言と、その後のイラスト似顔絵の反撃に2重に笑いましたねぇ。
実際に体験したことに勝るモノは無いなあと感じた回でした。何十年も見続けてくれている読者のプロに対し、中途半端な物は出せないと、現地取材や突撃体験を繰り返しながらマンガを描いていく西原さん。身に降り注ぐすべての事に対して、それをネタに昇華していく様は、とても力強く、心惹かれます。歯に衣着せないストレートな言い回しもサラリと出て、返って好印象ですね。
「笑いさえあれば。あのとき、笑いかけてくれる人がいれば。」
泣いたり、人のことに文句を言うのは暇な証拠。本当に余裕の無い時は笑うしかないと西原さんは言います。
マンガを描くというのは、物語を想像するために、常にまわりに対してネタとして拾っていこうという意識。その意識が人の表裏や内に秘める感情、それを読みとる感性が、もの凄く研ぎ澄まされた人なんだなあって思いましたね。
たらたら生きているんじゃないわよ、世の中にはまだまだ辛くて面白いことがたくさんあるんだから…そう言われたようなカンジでした。