青森県立美術館 青森市安田字近野185

青森県立美術館

公式サイト:http://www.aomori-museum.jp/ja/

さて、遠征最終日は青森市に新しくできた美術館です。縄文文化、その遺跡を数多く発掘する「三内丸山遺跡」そのお隣に建てられた美術館。まるで発掘後の切り込まれた地下空間に覆い被さるように建てられた美術館は、その主なる展示スペースのほとんどが地下にあるという、珍しい構造になっています。
今回、AtoZ展にあわせて、AtoZ会場、弘前駅青森県立美術館を結ぶシャトルバスが1日2往復出ていますので、それを利用するのがよいかと。弘前−美術館を、1時間10分で結びます。


今回の最大の目玉は、企画展「シャガール『アレコ』とアメリカ亡命時代」。
バレエ「アレコ」の背景画として描かれた3枚の巨大な絵画。そして、アメリカでの生活、最愛の妻との別れ、新しい恋人とのひととき。その中でシャガールが残した作品を堪能できます…。
できますが…。
今回はいかんせん時間が短すぎたっ!なにせ今日中に福島に帰らなければならないスケジュール。そして限られたシャトルバスの運行時間もあり、会場内で過ごせるのは2時間のみ。AtoZつながりで来ている私としては、常設展におかれている奈良美智さんの作品の方が気になったりと、気もそぞろな鑑賞になってしまいました。

はっきり言って、シャガールには悪いのですが今回は企画展を流し見。音声案内を借りて(でも、基本は押さえる…)音声案内が終わると次の絵に向かうという、切り方で見て回りました。
それでも1時間の鑑賞…。

そして常設展。これも美術館サイドや、他の作品制作者には悪いのですが、ちょっと流し見。それでも目が引きつけられる絵にはつい立ち止まったりと(なんかCGっぽい描写の日本画があったり…)時間をそらして、奈良美智さんのブースに。

おおっ、これが「あおもり犬」かあ〜っ!!高さ8.5メートル。巨大な犬の立体作品が、今正に上半身を発掘されたかのように、切り立った四角い空間に、下半身と腕の一部を埋設された姿で佇んでいます。
…。え、屋外展示スペースなのに、美術館の中からしか見えないの?離れたところから、美術館の窓越しでしか見れないのですかっ!
そんなあ、こんな巨大な立体作品を間近で見られないなんて〜っ!スタッフの方に聞いても、屋外から直接あおもり犬を見ることはできないとのこと。
さわれるほどの近さまで…とは言いませんから、その大きさを感じるくらい、見上げられるくらい近くで見たかった。
ちょっとガッカリです…。

美術館自体は上下立体的な展示スペースを持ち、上がったり降りたりを繰り返す感じ。空間そのものに見に来たものを飽きさせない仕掛けがありますが…ここを短時間で見るのは不可能です。上下移動だけなら東京都現代美術館なみに動きますので(横方向の展示がコンパクトにまとまっているので疲れませんが…)時間をたっぷりとって見に来た方がいいですね。

まあ、今後、奈良美智さんの特集を企画するようなことがあれば、行ってみたいと思います。現時点で、奈良さん本人以外で収蔵作品が多いのはココくらいでしょうから。
…となると、美術館の性格上、日帰りは不可能だなあ。0泊3日仕事直行とかやれば、時間は稼げそうですが…。


そして帰り。いったん弘前に戻ります。青森−仙台間高速バス「ノクターン号」という手もあったのですが、ちょうどいい時間がなく断念。弘前でリンゴ関係のおみやげを買いまくって、「キャッスル号」乗車。

「本日はUターンラッシュ時期ですので、到着時間に大幅な遅れが生じる可能性があります。」
…。しまったああああっ!行きが順調だったのですっかり忘れていたっ。そういえば、お盆後半。大多数の国民が大都市へ向けての移動を始める時間帯です。

…。とはいえ。むしろ仙台から北方面の大らかさ。渋滞による低速になることはあっても、上り坂のさしかかり。大きなカーブのさしかかりだけで、その後は順調に流れ、約30分の遅れだけで仙台到着。ちょうど出発時間で待機していた福島行きに飛び乗りました。
渋滞だけでは仙台−福島間の方が流れは遅いはず。かなり覚悟して乗っていたのですが…覚悟していたのは運転手さんも同じだったみたいで、そりゃあもう鬼のように飛ばす飛ばす。ちょっとでも道がすいていると、全速力で突っ走っているかのような速度間。キャッスル号の、のどかな速度に慣れた身としては怖いくらいでした。
まあ、そのおかげで、大した遅れもなく到着できましたが…。運転手さんには感謝です。