大丸ミュージアム東京 石川賢治 月光写真展「天地水 月光浴」

大丸ミュージアム入り口

2006年8月17日(木)→9月5日(火)
大丸ミュージアム東京:http://www.daimaru.co.jp/museum/
石川賢治公式HP:http://gekkouyoku.com/

美術館に限って、次のネタを決めるとき、NHK教育で放送している「新日曜美術館、アートシーン」を参考にしているのですが、その紹介記事に真っ先に反応したのが、今回の月光写真展です。

東京、大丸百貨店。ここの12階で開催されています。受付を済ませて中に入ると、照明が落としてあり、壁には暗幕が貼られていて薄暗い空間。その中に、引き伸ばされた風景写真が並べられています。イメージとしては、水族館。それも、深海の生物を展示しているスペースを想像して見てください。作品がちょうど、一つ一つの水槽のように、深い青を浮かび上がらせています。特に、作品からちょっと離れて、会場全体が見渡せるようにすると、青く光る作品の中に、魚たちが泳いでいるかのような錯覚が走ります。

月光写真、満月のわずかな光だけで撮影された風景。鮮やかだった赤や緑は、深い青色に染まり、その輪郭を際立たせています。オーストラリアの奇岩たち、マダガスカルバオバブの森、ガラパゴスの動物たち、南国のしぶき立つ海岸線、アルプスの澄んだ地平。
場所は違えど、なんでもない、いつもの風景なのに、張り詰めた緊張感が漂ってきます。空気が澄み、震え、これから動き出す、動に移る前の一瞬の静。

そんな会場の雰囲気に一役買っているのが、ブラックライトに照らされた南国の植物と民族楽器。そして会場に流れる虫の声や、雨が滴る澄んだ音色。天井からぶら下げられた、ひょうたんの中に仕込まれたスピーカーから、まさに夜を彩る音たちが聞こえてきます。
切り株の椅子に座ってボーっとしていると、今の時間さえ忘れてしまいそうです。

東京の中心に、こんなにも時間を忘れさせてくれる空間があったことに、ちょっと驚いた一日でした。


…これだけでは終わらない。
オタクらしく、秋葉原に繰り出しました。無論平日なので大して混んで…まあ、それなりに混んでましたが。なんかもう、どんどん再開発が進んで駅の周りは別な町になってますね。
そんなこんなで、ぶらぶら歩いていたら、なんとなく目つきの悪い人に声をかけられました…。
「お兄さん、そのカラビナ見せてくれる?こういう者だけど。
なんか、懐から警察手帳を出して言うんですよ、この人。
「ほら、(手帳を見せて)一応本物だからさ。」
なんでも、恐喝事件が増えていて、カラビナ(登山用具で、ザックの外にマグカップなんかをぶら下げるためのDの字型のフック。最近は街中でも良く見かける)型の仕込みナイフで襲う事件があったらしい。
あ〜、これが巷でうわさのオタク狩りかあ〜。いや、それはいいんだけど、私、襲う方の容疑者ですかっ!
「カバンの中身見せてくれる〜」とか言い出すし。
金属ものを見えるようにぶら下げていたのも悪いんだけど、秋葉原で職質って初めてだったなあとか思いました。オタクのみなさん、気をつけよう〜。