静岡、掛川、ねむの木学園子ども美術館


5時20分発東海道線普通電車静岡行き。さらに浜松行きに乗り換えます。
今日の目的地は、掛川です。

大船を過ぎたあたりから降りだした雨は、徐じょにあがり、灰色の空に蒼の染みを現し始めている。立ち席の多い列車は、雲を纏うように走る。
それぞれの、今日の。思いを乗せて。

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ねむの木学園、子ども美術館。
前にNHKの新日曜美術館で紹介されてから、一度は訪れてみたいと思っていた場所です。
番組内でも、強烈な印象だっただけに、期待も膨らみます。
掛川駅からバスに乗って20分ほど、終点のねむの木学園に到着。
さて…美術館はどこだ?

カラフルな屋根の、小さな建物はたくさんあるのですが、テレビで紹介されていたトンガリ屋根が見当たりません。
近くで庭木の選定をしている人に聞いたら、山の方に10分ほど歩いたところ、とのこと。

道路ぞいを山の上に向かって歩きます。途中、湧き水があったりと、ハイキング気分。

これ、車で来た人は見逃してしまうなあ。ものすごくまろやか…っていうか、まるい食感の水でした。

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大きなカーブ、木陰の隙間からゆっくり見えてくるのが銅板のような、細かい波を刻むトンガリ帽子の屋根。
その一角だけ芝生に覆われた、開かれた土地。そこにポツンと建っています。

正面の入り口をくぐると、チケット売り場。ミュージアムショップと続いて、すぐ外に出る扉?
どうやら、一旦外にでて、別の扉から中に入る仕組みのようです。テレビでも紹介されていた、美術館を取り囲む様に描かれた草花。それを見せたい意図があるようですね。
外は緩やかに登り傾斜になっていて、奥の入り口は、建物の二階になっています。

そこで見た子ども達の絵は!(残念ながら、中は撮影禁止でした)

詳しくは帰ってから書きますが、正直嫉妬しました。絵に無限のコストがかけられている。真の完成まで時間を込められた絵。フラクタル画像を手書きで描くような。
そして、知識に阻害されない自由な画風。
私は、私達は、突き詰めればどこかの誰かの模倣を描いてしまう。過去の偉大な誰かをなぞるように。そして多量に入ってくる情報は、私の想像を阻害する。それは知識に裏付けられた世界の常識。
でも、この絵は真の自由。誰かのレールをなぞるでもなく、情報に溺れる訳でもなく。

生活の環境を比較することは、大変失礼な事でしょう。すみません。先に謝った上で言います。この環境は、絵を描く上では非常に恵まれた環境であり、その事に嫉妬します。ええ、物凄く羨ましいです!くそう、いいなあ〜!
コホン、とにもかくにも、すばらしい作品達に出会えた事に感謝します。ありがとう。

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オマケ
どんぐり美術館の、さらに上にあるもう一つの美術館。今日は開いていませんでした。(汗)

ねむの木学園入り口より、ちょいとふもとにあった古いバスと路面電車。ここにも子どもたちの作品が描かれています。


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結局、ねむの木学園内を歩き回っただけで、ベースキャンプのある東京に戻りつつあります。
それにしても…何で列車内がこんなに寒いんですかっ!
わお、風邪ひくっ!
そ、外の空気が恋しいです〜。