国際福祉機器展

H.C.R.2007
会場、東京ビッグサイト

介護用品、福祉機器と呼ばれる商品を、それこそスプーンから自動車まで展示する展示会。
今年で3回目の訪問です。お昼1時頃会場入りして、なんだかんだ5時近くまで会場にいました。
ビックサイト東館1〜6全部を使用した会場は、前準備無しに行くと目的の場所が分からなくなりますね。
今回は、全体としてリハビリ用機器が目立ったような気がします。
足や腕を強制的に動かす道具、下半身の力が弱い、車椅子使用者のための足こぎペダルや、体を上から吊りつつ、ベルトコンベアと腰のモーターで強制的に歩かせ、足の機能を回復させる器具など。
介護保険制度が見直され、より介護等級を上げないようにする努力が必要になり、パワーリハビリという概念も生まれ(トレーニングマシンなど器具を、あまり負荷をかけないように効果的に使い、筋力の低下を抑え、運動による心理的活動性も回復させるリハビリ法)各社、特に施設方面をお客さんとしているメーカーは、開発に力が入ってあるみたい。
さらに、コミュニケーションと機能回復の両面の目的がある、遊具のようなものも目立った感じです。
結局の所、大手メーカーは、対施設の商材をそろえることにより、純粋なビジネスとしての介護を考えている気がします。

住設機器関係は…なんと言うか、技術やアイデアの流出があったような…。小さなメーカーが出した革新的なアイデアを、大手メーカーがより高度な技術で追従するような感じ。技術の平滑化が進んでいるようです。
ただ、著作権の問題もあるのか、爪の甘いところも。
また、去年に鳴り物入りでデビューした最新技術が、今年は隅っこに放置されるように展示されていたりと、開発の難しさを見せつけられる商品もあったりしました。
TOTOの水洗ポータブルトイレとか。だんだん隅っこに追いやられるなあ…。
これら住設機器は、リフォームとの兼ね合いもあり一般ユーザー向けですが、ノーマライゼーションの考え方が浸透したせいか、健常者向きの商品との線引きが無くなったため特に真新しい商品が無かったのは、去年と同じ。

特別企画「先端技術と福祉機器〜人工筋肉からロボットまで」
研究期間などど合同で開発された介護の新機軸を、デモンストレーションするブースがありました。
圧縮空気を使った人工筋肉のパワースーツや自動食事支援ロボット、コンピューターでコントロールされた義足、自動走行車椅子など。
その技術自体はとても素晴らしいモノなのですが、う〜む。日本人は、とにもかくにも技術力至上主義で、最新技術てんこもりの商品を作っていれば安心する人種なんだなあ…と思ったよ。
もちろん、その技術がフィードバックされているのは間違いないんだけど、人間工学の面から既設の用品の使い勝手を上げるドイツの例を見ると、違いを実感します。
その技術が人の真心に取って代わられたりする事がないように期待します。