仙台文学館

annon2007-10-10

オタク的サブカルチャーに限定しなくても、たとえばファンタジー小説ロールプレイングゲーム。絵画や、ポップアート。現代創作人形。演劇や舞踏。その他色々な情報を聞きかじると、必ずと言っていいほど、どこか目の端、耳の端に聞こえてくる名前があります。
今日は、その方について。

仙台文学館
特別展「澁澤龍彦幻想文学館」

1950年代からその名を知られるようになったフランス文学者、作家、批評家の方。
特に、文学における性表現について裁判となった「サド裁判」。その裁判を戦いながらも多種多様な表現方法を持つ時代の先駆者達と交流し、独自の世界を広げていた方。
そんな澁澤さんの半生を振り返りながら、著作、創作ノートや原稿、写真や手紙、遺品などを展示しています。

とはいえ、私自身、この方の著作を読んだことはないのですが、情報の奔流の中にある「よく見かける名前」に興味があり、訪れてみました。
文学をかじった方なら、もう少し詳しいコメントも書けるのでしょうが、はっきり言って名前以外の予備知識無しという無惨な状態で見に行っているので(なにしてんだか…)あまり詳しいことは説明できません。(汗)

ただ、思うのは、その時代や伝統、風俗や常識。文化そのものに、真っ向から物申していた事に深く感銘を受けました。今のサブカルチャーなんていう甘いモノではなく、奔流に対するカウンターカルチャーの先駆者。そして、さらに恐ろしいのは、彼のまわりに集まった多種多様の表現者たちすべてが、日本が本来持つ伝統文化以外のカルチャーを創造していること。狭い範囲だけで見れば、オタク的文化も、彼らの引いたレールの上に成り立っていることに驚きました。
文字媒体の表現方法が裁判になってしまうような世の中で、表現の自由を勝ち取ることはとても難しいことでしょう。
でも、地中の植物の根がアスファルトや岩を貫くように、異文化を日本に根付かせてくれたことは事実でしょう。

はあ。私たちがオタク的な文化にどっぷりはまっていられるのは、澁澤さん達が張り巡らした根の上にあぐらをかいているからなんだなあ…と正直思いました。


オマケ。1階受付カウンターの奥にある絵本の広場で面白いモノを発見!

絵本作家、スズキコージさん制作の…なんて言うんだコレ?よく観光地とかで、丸く切り取られた人物像に顔を当てはめて写真を撮るヤツ。それがありました。
さすが…っていうか、ものすごいシュールな作品ですねぇ〜。

この文学館、1階の床が10センチくらいの四角い木材がタイルのように敷き詰められているのですが、その木材が、歩くとカラコロと音を立てるようにできています。なんか、泣き砂や鶯張りのようで面白いですよ〜。



さて…。時代のカウンターカルチャーのすごさを見せつけられた後には、今のサブカルチャーを覗きに、メロンブックスに寄ってしまったことは…ナイショです。


今回はお昼近くになってからの出発で、その上、車での訪問だったので、仙台市内での自由が利かず、町中をブラブラすることはできませんでしたが…とりあえず「杜の都グリーンカレー」は食べてきました。辛みペースト追加の激辛仕様で、体力回復です〜。