北折整×麻生日出貴2人展「気がふれてGO」

12月4日〜9日 11:30〜18:30
GALLERY杜間道 仙台市青葉区春日町2−8

麻生さんのサイト http://homepage2.nifty.com/INFA/

絵をみる機会があるごとにお伺いしている麻生さんの展覧会が開かれました。今回は二人展。それも麻生さんの大学時代の先生との合同展示です。

せんだいメディアテークのお隣。GALLERY杜間道。モダンで洋風な建物は、入口だけだと古風な喫茶店のようです。
今日は、オープニングパーティが開かれることになっていて、私も時間を合わせて訪問してみました。

ギャラリーの中にはいると、もうかなりの人数が集まっています。北折さんも麻生さんも同じ大学ですから、その大学の生徒さん、OBの方が沢山いらしたみたいですね。まるで同窓会のような雰囲気にで、ちょっと浮き気味な私。(笑)

クッキーやクラッカー、お菓子類と、ワインやビール、お茶などが、真ん中のテーブルに並べられ、好きな物を自由に手に取りながら、立食形式でパーティが開かれます。最初だけお二人の挨拶があって、その後は、何か食べようが、絵を見ようが、誰かとお話しようが全くの自由。
なんだか結構調子に乗って飲んでいたような気がするなぁ。とりあえずお話を聞きながらゆっくり鑑賞することに。


麻生さんと、北折さん。それぞれの作品は、一つにまとめられることなく、わりと互い違いに並んでいます。
麻生さんは、私にとってはおなじみのキャラクターが描かれた、ポップな色使いの絵。
北折さんの絵は、女性の裸体をメインとし、まわりに抽象的な記号を配置したような感じ。色味を抑えたモノトーンに近い絵です。
雰囲気の全く違う2人の絵が並んでいるのに、あまり違和感を感じません。
たぶん。麻生さんの絵が(どちらかというと絵本的な雰囲気をもちますが)絵画的。
北折さんの絵が、なんとなく木工や、金属オブジェなんかの工芸的な印象を受けるので、ある意味棲み分けができているのかもしれません。
さらに、今回は、お二人の合作作品が2点展示されていました。片方がモチーフとなる全体を描き、それを相手に渡して自由に描き足してもらうという内容。麻生さんベースの北折さんの作品と、北折さんベースの麻生さんの作品という2つの作品がありました。
なんかもう、今まで麻生さんの絵ばかり追いかけていたので、この2作品の雰囲気が新鮮で、すごいときめきましたね。


お二人とも全く作風が違うので、描く上でも新鮮さがあったみたいです。
北折さんにとって、麻生さんは自分の知らない色の絵の具を多く使っていて、今回自分がピンク色とか使うとは思わなかったと話し、自分もキャラクター物を描いてもいいかもしれない?なんてことを話していました。
麻生さんにとっても、最近、下地の色に緑を使うようになった。北折さんから渡された絵に緑の部分があり表現の上で繋がりを感じたとの事。
この先、このお二人がまた合同で展示会を開かない限り、二度とお目にかかれない作品になるでしょう。もう、しっかりと目に焼き付けてきました。

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今回。麻生さんの作品が、何となく重い印象をうけました。何か絵に込められている物が、そこに留まりきれていない印象。
麻生さんの絵は、私が初めて見た時は、輪郭線のハッキリした、メリハリのある絵でしたが、だんだんと輪郭線がだんだんと無くなり、キャラクターの境界線が淡いグラデーションになる描き方に変化しています。
ただ、今回はその色合いに、ちょっとした違和感。
たぶん、私自身の好みの問題だけだと思うんですが、やさしさの印象を受けるキャラクターから少しはずれた、影を見せる沈んだトーン。これが好きか嫌いかは、ほんとそれぞれの好みなんだと思うんですが…。

ただ、ギャラリー入って右手側。麻生さんの小さめの作品が並んでいるところ。その一角だけは、違うトーンの絵が集まっていました。
白く透き通ったキャラクター達は、今までのどの絵よりも透明度を増し、赤ちゃんの肌を思わせる白さに輝いています。
好きか嫌いかだけで言えば、こっちの方が好きだなあ。

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今回。初めて麻生さんの絵を買う事にしました。そんなに大きな作品じゃないんですが。
絵という単純なカテゴリ分けをするならば、今までだっていろんな作品を手にしてきました。
ただそれは、ある意味大量生産&消費の産物。賞味期限のものすごい早い、捨てられることが前提の絵ばかり。
オタク趣味ばかりに走ってきた私にとっては、キャンバスに描かれた絵は、作者さんの作品を産み出す時間そのものを買う行為だと思っています。

ほかの人からみれば、何でもない行為なのかもしれませんが、ただのオタクだった私にとっては踏み出せない高いハードルのように感じていました。
ただ、「毎日、自分の家で出会えたら、幸せになれるかどうか」それだけを判断基準で考えました。アルコールがかなりまわっていて、正常な判断だったのか疑問もありますが(笑)

美術にたいしての、あこがれのような気持ち。美術を学ぶ場とそれを経験してきた方々に囲まれて、それをうらやましく思う気持ち。なんだかいろんな思いがまわっていて、酔いをさらに加速させているような気がしました。

結局、最後の最後までおじゃましてました。本当に来て良かったです。

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今日は仙台に泊まります。帰る途中車を使わなければならないので、どのみち運転できません。

明日は、前に麻生さんに紹介されて作品を見に行ったことのある、後藤さんの個展にお邪魔します。