生きてるってみんな大変なんだって事


あたりを見回してみると、1日1日を生きるか死ぬかで暮らしている生き物がたくさんいて、聞こえない断末魔を上げつつ生きているのかもしれない。それに比べたら、私たちは「生きる」ってことの選択肢がたくさんあるんじゃないかな。
その選択肢を全て無視し、「死ぬ」ことを選ぶ前に、もう一度周りを見渡してみよう。「私の方が苦労しているッ!」って聞こえない断末魔を上げている生き物が沢山いるはず。
「もっと生き続けたかった!」って叫んでいるはず。

            • -

朝焼けに染まりつつある町並み、千曲川が見渡せる高台でのショット。今日は、いい天気になりそうです。

            • -

安曇野から、斑尾高原までは、一般道路を利用したのですが、ちょうど長野市内を通るルートになります。「そういえば、聖火リレーがあったっけなあ」なんて思いながら走っていたら、案内標識に善光寺の文字が…。お、ちょいと寄り道しましょ。…ええい、ナビうるさいわ。寄り道するの!

ちょうど御祈祷の時間なのでしょう。6時前の時間にもかかわらずたくさんの人で賑わっています。早朝でこの人出ですから、日中なんかどれだけ参拝者が訪れるのでしょう?
いつものように、今日の旅の安全と、この旅で見た物聞いた物すべてが自分の血肉となって、永久に残るようにお祈りしました。

            • -

昨日の天気が嘘のようなどピーカンの天気です。思わずもう一度ちひろ美術館に戻ってしまおうかと考えてしまうほどです。春霞も薄れ、高く広がる群青の空、その空を突き刺すように伸びる山々。曲りくねった道路の先、山々が顔を出すたびに、感動で涙が出てきそうなくらいです。



斑尾高原の西側には野尻湖もあり、せっかくなんでそっちにも寄り道です。

            • -

斑尾高原絵本美術館
唱歌「ふるさと」の舞台、斑尾山。そのふもとに立つ小さな絵本美術館です。

企画展 こみねゆら絵本原画展
またあえるよね

永遠にかわらない少女の夢と、フランスのアンティークな記憶を湛え、どこか遠く懐かしさを呼び起こすこみねゆらの絵本。
本展では、2007年12月刊行の「初雪のふる日」と、2008年2月刊行の「またあえるよね」の新刊2冊の原画を含めた約50点の原画と、ぬいぐるみや人形、ミニチュアのティーセットなどの立体作品約40点を一同にごらんいただけます。
・斑尾高原絵本美術館ホームページより

前にどこかの展覧会で作品を見かけてから、気になっていた作家さんです。繊細な線で描かれた女の子がとても可愛くて好きです。
人物の描写も丁寧でよかったんですが、葉書大の大きさにびっしりと書かれたじゅうたんの模様とか!
爪の長さくらいのアンティーク人形の精巧さとか!
すげー、これは驚愕した!少なくてもB型気質では、こんなちまちました作業はできませんっ!
参考にしたいとか、インスパイアされたとかでもない、越えられない壁を見せつけられたような気分になってしもうた。
ここも飲み物とセットでの料金でした。ゲストブックが置いてあったので、一言…のつもりがイラスト1作品になってしまいました。

テーブルの先に、昔の薪コンロが置いてあって、それをスケッチ。それだけじゃつまらないので、女の子と動物たちを描き足してみました。

            • -

黒姫童話館&童話の森ギャラリー


黒姫高原に広がる緑豊かな大地…あ〜、もう、この風景を文章に表現するのは無理だっ。こんな絶好のロケーションに出会ったのは初めてです。なんでこう、今日は帰る日なんでしょうか?今日も泊まりなら日が沈むまでココに居るのに!

ドイツの児童文学作者ミヒャエル・エンデと、日本の児童文学作者松谷みよ子さんの作品などを常設展示する美術館。
ミヒャエル・エンデといえば、「はてしない物語」や「モモ」の作者ですね。私も中学生の時、教室に「はてしない物語」が置いてあって、夢中で読みました。今日、久しぶりに置いてあった本をみたら…ずいぶん小さかったんだなあ。中学の頃はもっと大きな本だと思っていたのに。まあ、ある意味美化されていた部分はあったのかもしれませんね。当時、私もバスチァンと同じ気持ちで、アトレーユの冒険を見守っていました。

松谷みよ子さんは、馴染みがないなあ…と思っていたら、味戸ケイコさんの「わたしのいもうと」の文章の方だったんですね。一昨年K美術館で見かけた時の記憶が甦ってきました。
わたしのいもうと (新編・絵本平和のために)
こういう、作品や作者さんのつながりが、初めて訪れた美術館で1つにつながるのを実感するのも、美術館めぐりの醍醐味ですね。

ほかにも、いわさきちひろさんの作品を生み出す舞台になった黒姫山荘も建てられており…って安曇野ちひろ美術館にもあったよ?
どうやら、ここに建てられている山荘が、当時のまま移築された物、安曇野にあるのが、復元したもののようです。こちらでは、実際に中に入って見ることもできました。
しかし、黒姫山荘をはしごした…ってことになるんだなw
当たり前ですが、中身全く同じですわ。

…名残惜しいですが…そろそろ。

            • -

帰りのルート。日が沈むまでは一般道を走るルートで進みます。今日は、太陽が昇る所を見ながら旅のスタートを切ったので、ちょうど日本海側ですし、太陽が沈むのを見届けたいってそんな気持ちになりました。

とあるパーキング。すれ違う列車とともに。
今日一日、良い天気をありがとうございました。