第10回T家の恐るべき子どもたち展

annon2008-05-28

東北生活文化大学生活美術学科卒業生によるグループ展
せんだいメディアテーク6Fギャラリーa 5月23日〜28日

今年もT家の季節がやってきました。麻生日出貴さんとの出会いのきっかけにもなった思い出の展覧会です。
麻生さんは他の作者さんとコラボ企画らしいので、そちらも楽しみです〜。

まずは、気になった作者さんをピックアップ

渡辺菜月さんの「世界」。シャボン玉を飛ばす女の子と傍らに佇むウサギ。女の子の頭…これは、シャンプーのポンプノズルでしょうかね。不思議な雰囲気です。ウサギがこう…なんかね、気合い入ってるね。

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雨貝あづささんの「ヒポポタマスィー☆」。って、コレ、まずネーミングでやられました。会場の真ん中へんに置いてあったんですが、水から顔だけを出したカバさんがすごい良い味です。コレ、床の間とかにあったらウケそうだなあ。

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相澤修さんの「Message2008No1.No2」。QRコードをモチーフにした作品は、他にもう一人おりました。実際に携帯電話で読みとればサイトにジャンプできるそうです。これも、メディアアートの一つの形なんでしょうか。作品の着目点は非常に面白いんですが…短期間の1発ネタっぽいところがあるなあ。商業イラストの一部としてなら、需要はありそうな気がします。

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千葉宏美さんの「あさってのまぶた」。前回は立体ものだけでしたが、今回は絵画作品とセットの展示ですね。ぱっと見た印象は、和製ヘンリー・ダーガー。ただ、モチーフは、もっと丸っこい子供達で、日本とも中華系ともとれる姿で舞っています。一人一人の輪郭線が素敵だなあ。こういうディフォルメの効いた作品はとても好きです。
立体もののほうは…足の指が可愛かった〜。

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さて、麻生さんですが…。

展示室の右隅、真四角に仕切られた部屋にまとめられていました。千葉亜由実さんとのコラボ作品「森の教会」。
落ち葉の中に横たわるウサギ。生きているのか、死んでいるのか分からない。そのウサギを取り囲むたくさんの顔達。
麻生さんの作品、殆どが目を閉じた顔でして、祝福の祈りなのか、追悼の祈りなのか。荘厳なイメージを受けます。
タイトルに教会とあるので、意識がそれに引っ張られてしまい、そう言うイメージでとらえているのかも知れません。
部屋を暗くしたことと、スポットライトがウサギに当たっているため、物語の中心がウサギに移ってしまい、麻生さんの絵が引き立て役にまわっている感じはありました。
自分の家でも飾っているから分かるんですが、麻生さんの絵からは強烈な印象を放っていないので、空間としての建造物、上等なインテリアのような感じで、一種、フィールド全体を作品としてしまう感じがあります。
どちらかというと、麻生さんという美術館に、千葉さんのウサギが展示されている…そんな感じを受けました。

せっかくなのでネタだしw

会場を見終わった後も、麻生さんと色々話ができて良かったです。作品の感想とか聞かれて…そう言えば、少し印象が薄かったような気も。ウサギに引っ張られすぎでしょうか。
どんどん省略され、ついには顔だけ。体も描かないというスタイルになっています。前回よりも、さらに光の印象というか、強い白光で照らされ、より輪郭をにじませた感じになっていました。それでいて、薄く開かれた目は力強くライン取りされて、意志を感じます。
感情性や、メッセージ性は絵からは発されず、見る者の意識次第で、どうとでもとれる懐の深さを持っています。
だから…強烈な雰囲気のウサギに押され気味かなあ。

どんどんと新しい要素で上書きされている麻生さんの絵。次に会うときには、どんな流れが合流しているのか、とても楽しみです。

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紹介して貰った古本屋さんにいってみました。

美術手帖のバックナンバーを買いました。ちょっと時間が無くて、コーヒーまでは飲んで来なかったんですが、いずれ時間をゆっくりとってお伺いしたいですね。