東京都現代美術館、スタジオジブリレイアウト展

annon2008-09-03


ジブリの絵職人・男鹿和雄展」以来の現美です。ジブリつながりでしか来てないのか…私。
会場は事前予約制。入場時間が指定されていますが完全入れ替え制ではなく、入ったら何時間いても大丈夫。というより、退出時間指定では全部キチンと見られない気がしますね。

こういうところでは音声ガイドを借りないと損です。時間無くてサラッと見るだけならともかく、こういう企画色が強くて、解説の方が専門ならなおさらです。てか、音声ガイド、いきなりポニョの歌かい! そりゃあ、現在公開の映画だから仕方ないか。
ガイド担当は、千と千尋の神隠しで主役を演じた柊留美さん。ジブリの田中千義さん。ジブリ美術館の三好寛さん。
柊さんと聞いて、千尋の声で案内してくれるのかな〜と思っていたのですが…残念ながらそれはナシ。せめて一言だけでも映画のセリフしゃべって欲しかったなあ。
ジブリ関係者の2人は、さすが専門だけあって説明も的確。しかも2人の掛け合いがテンポよくてとっても楽しいです。
ナウシカから順を追って年代別に並んでいます。映画のスクリーンと同じ比率で描かれた専用紙。パッと見藁半紙にしか見えない安っぽい紙なんですが、絵コンテの1コマ1コマに、このレイアウト画が対応しています。必要ならキャラクターの演技だけを抜き出したレイアウト画がさらに欲しいため、映画1本で数百枚描かなければならない物だそうです。
場面構成、カメラワーク、セルか背景画か、セルなら1秒間に何ミリ動かすのか。指示が細かく入っています。中には、「ごめんなさい、パース合わないので新作描いて」と背景画を描く美術担当に拝みこむ指示もあったりして、ちょっと笑った。
基本的に鉛筆描き。色鉛筆での彩色もあります。ただ全然ラフじゃない!植物の葉一つ一つ、雲の影の一つ一つ、モブシーンの一人一人きっちり書き込まれている。絵コンテの1カットごとに描くなんて枚数だけで卒倒しそう。
耳をすませば」でのレイアウト画は、他の物よりサイズが小さいのですが、これは「貧乏ビスタ」と言うらしくて、制作に掛けられる時間が短かったため、用紙が小さければ描く時間が短縮されるだろうという推測で作られた物だそうで。なんか、凄い言葉ワル〜(笑)でも、小さい分より細密に描いてしまうそうで。ってことは労力自体は同じってことですよねぇ。

もののけ姫」では、最後の方、制作が間に合わなくなってしまい、絵コンテを切らずにいきなりレイアウト画を描いていたそうです。それも宮崎監督が全部。
監督の、頭の中の構成そのままにいきなりレイアウト作業に入るって事にびっくり。何も用意しないでいきなりカメラリハするようなもんじゃないですか。
台本を事前に渡さずに舞台で演技指導するようなもん?それもシナリオ完成前に。
てか、このころから絵コンテと制作が同時進行だったのかな。ポニョだけだと思ってましたけど。

千と千尋の神隠し」では壁一面にレイアウト画をスキマ無く並べています。分業で描いているとはいえ、やっぱ描く枚数の桁が3桁くらい違うわ。たぶん、頭の中に映画のシーンが詳細に思い浮かべることができて、それを紙にトレスしているだけなんだろうなあ。
音声ガイドの総録音時間が45分。会場は平日の朝だというのに流れを勝手に作れないほどの渋滞。流れに逆らわず見ていたら2時すぎてた。どんだけ集中してんだか。
あれだけの作品数、書かれた指示内容まで目を通すとなまじキャラクターの動きが分かるもんだからシーンが頭の中で再生されてそのつど歩みがとまってしまいます。

最後の展示はやっぱり崖の上のポニョ。エンディングで流れてた背景の一枚絵。あれ、そのままのレイアウト画があって面白かったなあ。あれを頭の中に描けるってだけでスゴイっす。

会場はそのまま地下2階へ。こちらはワークショップが中心となるコーナー
「自分の描いたまっくろくろすけを壁に自由にレイアウトできるワークショップ」せっかくなんで参加してみました。丸いシールにペンで描いて、壁に貼るんですが、用意してあった壁がほとんど埋まっていて、臨時の貼る場所ができてましたね。
ポニョとまっくろくろすけを描いたつもり。

他にもいろんな写真が撮れるコーナーもあったんですが、今回も一人旅なのでスルー。なんかいっぱいいたバケツポニョだけ撮ってみた。

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ついでなんでもう一つの企画展「パラレルワールド」も鑑賞。スマン、こりゃあとんがりすぎだ。さっぱり分からん。それでも映像作品はおもしろかったけどね。

さらに常設展。奈良さんの作品や草間さんの作品を目にすることができて良かった〜。ヤノベさんのマンモスプロジェクトは迫力勝ちって感じだなあ。

う、なんだかんだ言ってもう5時だ…。まるっきり現美だけのために東京来たみたいじゃんか。今日は泊まっていくわけにはいかないので、帰りますよ〜。