いわき市立美術館・アートショップalmareal

annon2009-05-13

いわき市立美術館開館25周年記念・世界へのアプローチ〜子どもも大人も見てみよう!〜
宮島達男さんのデジタルカウンターが見られるので来てみましたっ!

「世界へのアプローチ」と名づける今回の展覧会では、6人の現代美術家のユニークで、より大きな世界とつながっているスケールの大きな作品で、「世界」ののさまざまな捉え方や「世界」との向き合い方の一端を紹介します。本展は、鑑賞者一人ひとりの「世界」に対する見方がより豊かになるきっかけとなることでしょう。
・展覧会パンフレットより

現代美術作家6人が、それぞれの思想や世界観を持って、大きなスケールの作品を展開する展覧会。難解と言われる現代美術ですが、作品それぞれが視覚にダイレクトに訴えかけるものばかりですので、理解する以前に強烈な印象を持って脳にすり込まれます。現代美術を理解、鑑賞する上での入門版という感じを持ちました。
開館25周年記念だからなのかもしれませんが、パンフレットが充実していて、無料でもらえる小冊子だけで、下手な図録なみの情報量を持っています。これも、難解な作品を鑑賞する上でありがたいですね。

宮島達男 Counter History/(カウンター・ヒストリー)

辛抱たまらないので、見に行く前から描いた勝手にイメージ
暗い部屋の中にある、二つの赤い列。1から9までの数字を刻むデジタルカウンターが並べられ、赤い輝線として浮かび上がります。2本のうち、低い位置にあるカウンターは上下逆さまになっています。人の一生を刻むかのようなカウンターの煌めきが、そのはかなさと、人の営みのつながりを示しているようで、心が騒ぎます。

インゴ・ギュンター ワールドプロセッサー
こちらも暗い部屋。等間隔に光り輝く地球儀が並べられています。地球儀にはそれぞれ意味のある情報が書き加えられており、国ごとの平均寿命や、燃料消費量など、データを元にした表示がされています。地球と人類が直面している問題をダイレクトに表示しているにも関わらず、その並べられた姿は、データの示す畏怖や恐怖を通り越して、美しい光のオブジェとして目に飛び込んできます。

作品282 統計上の課題(日本版) より勝手にイメージ(※赤く描いたのは私の引用。本来は全部黒文字でした。)

定量化が重要となる課題で、どうにも不可能なものが数多くあり、優雅さ、愛、風味、誘惑、絶望、希望がこれに当たる。世界の全体性は不可解であり、統計的手法のみを用いた場合はなおさらである。
・パンフレットより

統計上現れている現代日本の問題点を、それぞれ矢印で結んだ作品。
何となく心に落ちた「ひとりあたりのオリジナルの絵画」という文句。それが「宗教の需要」や「実際にあったことのある友達とメル友の割合」、「希望が無くとも幸せになる能力」とつながっているという言葉のおもしろさにやられました。
コンテンツ産業が発達し、大人でもマンガ雑誌を読みふける日本人には、国民ほとんどが何らかのクリエイターであると言えなくもない。今までそう思い続けていた事が、この「オリジナルの絵画」という言い回しに、急に腑に落ちた感じがして、しばらく動けませんでした。

            • -

会場外では、「虹−私の場合」というワークショップが開かれていました。虹を題材にした作品を当日会場で作成するか、持参し、その作品をラミネート加工後に会場壁に展示するというもの。

こんな企画、参加せずにはいられないじゃないですかっ!早速描いてみましたっ。

貼った感じはこんなです。

たまたま近くを通りがかったおじさんが、「ピカソはわからんが、これくらいなら分かる!」って言ってくれたのがうれしかったな〜。

        • -

アートショップalmareal

いわき在住の作家さんの作品を委託販売の形で展示したり、アフリカや南米の輸入雑貨を扱っているお店。入ったとたんに異国感たっぷりで、民族楽器や衣装、小物が並んでいる中で、作者さんのポストカードや創作小物なんかがおいてあります。可愛いモノから順に買ってみた。

左上がicoさん、左下の小さな絵本が、おおはしさんとこまつさん。右の2作品が「すずきもん」さんです。
ついでに小さな民族楽器も買ってみました。

家に帰って、フォトショップを立ち上げながら、開いた手でつま弾いてます〜。