カルテット・ニュージェネレーション演奏会

スクウェア

会場:福島市音楽堂

QNGウェブサイト:http://www.quartetnewgeneration.com/home.html
福島市音楽堂(福島市振興公社)ウェブサイト:http://www.f-shinkoukousha.or.jp/

演奏曲目
・カンツォン「うぐいす」
・ウキウキ
・アレンジメンツ
フーガの技法BWV1080より「3主題によるフーガ」
・シッティング・ダックス
・Sanpaku(三八九)より「Zan(禅)」
・イソリズム・モテット「おお崇敬するにふさわしく立派な男よ」
・ヘクサコードファンタジア
・いたずら
アンコール曲
魔笛
・映画ピンクパンサーのテーマ

リコーダーと言うと、小学校の音楽の時間で使った楽器を思い出しますね。その種類は…と問われるならソプラノリコーダーとかアルトリコーダーくらいしか思いつきません。
そのリコーダーを何十種類も駆使し、クラシックから現代音楽まで多彩な楽曲を演奏する4人組ユニット、それが今回聞きに行った、カルテット・ニュージェネレーションです。

今回の演奏会…演奏会なんて学校の行事以来言ったこともなかったのですが、最大の目的はパンフレットにあった変な形の楽器。四角形を組み合わせた木製の筒。コレが気になって仕方がありませんでした。しかもパンフには「マシンガンかバズーカ砲のような楽器に感動する」とか書いてありますし(笑)

今回の写真でイラストの子が持っているのがそうなんですが(手の位置が左右逆ですが…)これはスクウェアバスリコーダーという…リコーダーなのかっ?こんな形なのにっ?

スクウェアバスリコーダー。パイプオルガンの内部構造。外から見えているパイプは円筒形になっていますが、見えない部分のパイプは四角い筒になっているそうです。その形状を真似て単独の楽器にしたのがこのスクウェアバスリコーダーです。
低音を表現する為に胴体が長くなってしまうバスリコーダーは、指で押さえる部分が離れてしまう…。しかしこのスクウェアバスリコーダーは、大きく平たい形のキー(鍵盤のようなもの)を押さえることで穴をふさぐ構造。これは体格の小さい人でも扱える形状とのこと。胴体部分とほぼ同じ広さのキーは、パタパタと稼働するようになっており、それ自体を叩くことで「カッ」とも「パフッ」言えない打突音がします。リコーダーとして音を吹き込みつつ、キー操作がまるで打楽器を奏でているように響く…そんな不思議な楽器でした。

バスリコーダーというだけあり、低音の響く音色で、日本の尺八や、中南米フォルクローレに使う楽器に誓い雰囲気で、かすれた、それでいて力強い音がします。
プログラム最後の曲、「いたずら」にて演奏。4人がそれぞれ長さの違うスクウェアバスリコーダーを演奏する様は、まさに未知なる感動でした。

もちろんそればかりではなく、ルネッサンスリコーダーのハーモニー(私たちが小学校で目にするバロックリコーダーではなく、中間にふくらみのないまっすぐなリコーダー)が奏でる音色は、特に低音の音が優しく絡み合い力強い波を響かせます。
その音色はパイプオルガンのようであり、それでいて人が吹き込む息、息継ぎの人間味が絡み合って、まるで呼吸するパイプオルガンのようでした。

クラシック、そして新しい曲。新旧交互に演奏される曲。数百年の年月の違いすら越えた新しい音の息吹が、会場を震わせる…。そんな演奏会でした。

アンコール1曲目の魔笛では、司会進行役の朝岡聡さんも含めた5人での「魔笛」の演奏があったり、公開したばかりの映画「ピンクパンサー」のテーマを演奏していただいたりと、サービス満点でした。



す、すごい〜。まるで一つの楽器のようだったり、鳥のさえずりに聞こえたりする〜。