「ジャパニーズ・ポップ−信長・秀吉・家康、ファッションにみる桃山時代−」展

美術館入口

郡山市立美術館 2006年10月21日〜12月3日
公式サイト:http://www.city.koriyama.fukushima.jp/bijyutukan/

ずいぶん前から気にはなっていたのですが、何とか見に行くことが出来ました。福島の真ん中、郡山市の美術館で行われていた展覧会です。
信長、秀吉、家康が活躍した時代。ある意味、短い時間にものすごく世の中が変化した時代だと思います。天下取りが次々と現れる戦乱の世の中。武将たちは常にトップを目指し、そして得た権力を存分に奮い、次々と新しいものを生み出したエネルギーの奔流のような世の中。
自己顕示欲のままに奇抜なファッションを身にまとう武将達。それはひとえに、戦場で戦う自分を周りに示すため。それは、戦場においては自分の命を危険にさらす行為なのだけれども、自分の使える君主に自分の活躍を見てもらうため、または相手に必要以上に畏怖を抱かせるため、意匠を凝らした陣羽織をまとい、奇抜な鎧、兜を身につける…。その鎧は「当世具足」とよばれ、まさに今の今、この戦場のみを生きるという、生き様を見せてくれます。
展示場前半の煌びやかな「小袖」と呼ばれる着物も良かったのですが、この当世具足の奇抜さにやられっぱなしでした。

イラストにも描いた、「黒漆塗兎耳形兜鉢」…じゃまやん!こんなのかぶっていたら。頭の上に1mくらいにょっきりとウサギの耳の形が作られているなんてっ。いや、そりゃあ目立つでしょうが、ウサ耳武将って…どうよ?
それと、デビルマンバットマンかオノレは!と思わせるような、ツバメの翼をモチーフにした「燕尾形兜」とか、頭の上ににょっきり右手が生えていて、インドの武器「金剛杵」を握り締めている「黒漆塗執金剛杵形兜鉢」とか…。岡本太郎でもこんなの作らんなあ〜と思わせるものばかり。
見た目は奇抜でも、基本となる兜鉢は量産された普及品。形は今で言うヘルメットそのままです。兜鉢は強い強度があり、鉄砲の弾もはじき返します。
その兜鉢に板金加工や、皮や紙を漆で固めたもので形を作り(張懸け)、それぞれの武将の個性に合わせた兜を生み出したそうです。
基本構成があって、ユーザー好みに合わせてカスタマイズする…それって、今のパソコンとかでよくやっているBuilt To OrderつまりBTOじゃないですかっ!
「へっへっへ。オレの兜鉢は、基本構成西洋モデルで、漆は輪島。張懸は大阪の職人なんだぜ!」
「うえぇ、はいすぺっくだなや。オレッチは最小構成でかまわないから、普及品の鉢に漆と張懸は地元品なのに…」
とか。(笑)
なんかこう、自分も一つ作ってもらいたい気分です。とはいえ、戦場では役に立ちそうもありませんが。ウサギの足の張懸で逃げ足重視…とかね。


おまけ
帰りに寄ったスーパーでコーラ買ったら、くじ引きで1.5リットルコーラ6本セットが当たった…。ちょ、大黒様っ!御利益これで終わりってことは無いですよねっ?!