のすたるじっく☆りありすてぃっく 作家王国−新井コー児・水野暁

会場入り口

1月8日〜1月31日
高崎市美術館
群馬県高崎市八島町110-27


日本画ってなぁに?
平成18年11月25日〜平成19年2月4日
高崎市タワー美術館
群馬県高崎市栄町3−23 高崎タワー21

サイト(高崎市タワー美術館も含む)
http://www.city.takasaki.gunma.jp/soshiki/art_museum/index.htm

爆弾低気圧の影響で、ものすごい風になっていますねぇ。とりあえず雨は心配なさそうなんですが、朝暗い内の国道4号線、大型トラックと併走の最中に、車体が風で揺れると生きた心地しませんね。
一応、朝2時出発、8時到着ってことで。単純に距離だけ見ると、なんだか東京より遠かったですが…。

高崎市美術館。コンクリート打ちっ放しの三階建てビル。入り口側だけ丸みを帯びていたり、1階に、ショーウィンドーのように大きな窓があったり。ちょっと見は洒落たブティックかデザイナーズマンションのようにも見えます。中もコンクリート地が見えていたり、鉄パイプ組みの階段があったり、ちょっと凝った建物ですね。

今回は地元群馬にゆかりのある若手作家を紹介するシリーズ「作家王国」の一つで、新井コー児さんと水野暁さんの2人展です。

美術館は3階建て。1階はプレビュー的なもの、お二人の作品をそれぞれ展示し、2階が水野暁さんのみ、3階が新井コー児さんの作品展示と分けられています。

まずは2階。水野暁さんのブース。タイトルにもある「りありすてぃっく」の通り、対象を写実的に描いた油彩画です。
吊されたニワトリ、そこに置かれた果物。対象物だけではなく、背景の壁に至るまで、写真ではないかと思わせる細かいタッチです。ですが、そのレイアウト、にじみ出る雰囲気が、写真以上の意味を問い掛けてきます。
ニワトリに絡みついた紐。壁に無造作に貼られたセロハンテープの光沢とよじれ。物の劣化の具合や、影、光の演出まで。それが自然のままに描かれています。
水野暁さんの作品は、レイアウトこそ、何かを訴えかける作者の意図を含んでいますが、なんというか、カメラのような目を持っている人だなと思いました。その場所に間違いなく存在している色を、忠実に再現する。その絵は、私たちの目さえ、写真ではないか?と錯覚させます。
水野暁さんのHP http://akiramizuno.hp.infoseek.co.jp/

3階は新井コー児さんのブース。もう一つのタイトル「のすたるじっく」の通り、何か…昭和を感じさせるタッチです。
雰囲気としては、三丁目の夕日あたりが近いのかな?ただ、何となく笑っちゃう。
勝ち気な満面の笑みを浮かべた猫、ニヒルに口元をゆがめて笑う魚。なにか「いたずら」を仕掛けてきそうな雰囲気でペロペロキャンディをしゃぶる女の子。自堕落にギターを抱え、こたつで寝る青年。
色調を押さえ、やや、モノトーンで描かれた絵の中に、なにか笑っちゃうポイントが隠れています。それは、「笑っている人を見ていると、こっちまで笑っちゃう」ような感覚。笑え!と強調しているのではなく、笑っている顔があるから可笑しいって感じ。
この独特のユーモアに、なんか口がにやけっぱなしでした。
新井コー児さんのHP http://www7.wind.ne.jp/ko-ji/


さて、せっかくなので美術館のはしごです。
駅をはさんで反対側。高崎市タワー美術館です。
とっつきにくい日本画と言うジャンルを、その製法、技法、使われている画材など、分かりやすいアプローチで紹介する展覧会。
掛け軸や、屏風の部分部分の呼び名。たとえば、掛け軸の、八双・天・中廻し・一文字・本紙・柱・地・軸などの名称や、屏風の使い方などを分かりやすく解説してくれます。
そして画材の岩絵具。掘り出したままの岩の状態や、それを粉にした状態。塗った状態を触れるサンプルや、ルーペを使って、塗った状態が分かるようにしてあるものなどを紹介しています。特にルーペで見る絵の具。普通に見ると、水彩や油彩と変わりないのですが、ルーペを使うと、石の結晶の形がそのまま残っている!細かい石が敷き詰められ、それぞれ削り取られた面が光沢を放っている様は見物です。
畳敷きの床の間を再現し、そこに掛け軸を飾ったり(靴を脱いであがる)なかなかユニークな展示をしています。
絵を見るという目的だけでなく、日本画そのものを知る良い教材がそろっていました。


さて、お腹もすいたことですし、ちょいとネットで小耳にはさんだお店に行って来ました。

栄寿亭
高崎市新町7−1
紹介記事 goo群馬 http://machi.goo.ne.jp/027-322-2740

80年の長い間守り続けた秘伝のタレを、たっぷりしみこませたカツ丼。卵無しのタレだけのカツ丼が有名らしいんですが、私は普通に卵とじのものを食べました。
甘じょっぱいタレがご飯に絡んでいます。カツは程良く柔らかく揚がり、こちらもタレに絡んで、柔らかさ倍増です。
お昼を外して、1時過ぎにお伺いしたのですが、人がいっぱいでした。カウンター席しかないのに、そのカウンターの後ろにびっしり人が並んでいる様は、ちょっと躊躇してしまいましたが…せっかくなので並びました。
とっても美味しかったです。この次は卵無しを頼んでみよう!