猪熊克芳展

会場入り口

1月13日〜21日
ギャラリー・マスガ
福島県須賀川市西川字池の上31−2

今回は初めて訪れるギャラリーです。たまたまガソリンスタンドで読んだ地方新聞に紹介記事が載っていまして、その内容にちょっと惹かれました。

猪熊克芳さん。アクリルとパステルを使い、抽象画の作風を持つ方です。抽象画といっても、その絵には強烈なインパクトがあります。そこにあるのは、青でもなく、蒼い空間。

作品タイトル 「IN BLUE」

日の光を遮る、深い海の底なのか。月光に照らされる湖面なのか。
青一色ではなく、抽象的に浮かび上がる、何かの像。人の作り出す明かりのようでもあり、月に照らされる埠頭のようでもあり。
はっきりとした意味を示していない分、見る人、時間、その日の心で、場面そのものの意味すら変わってしまいそうな不思議な空間。
強く、強烈な色彩なのに、何か柔らかさも感じてしまいます。

なんというか、たぶん、この色。「青色が好き」と言える人には、問答無用で「好きだ」と感じさせてしまう絵。それは「すごい」というより「ずるい」という感じです。
色の持つ魔力。この絵の青は、「青色が好き」な人には、強く感じてしまうでしょう。もし、私が、赤とか黄色が好きなら…もしかしたら、こんなに引きつけられなかったのかも知れません。そう言う意味でも「ずるい」絵です。

会場には、克芳さん本人もいらして、いろんな話をして頂きました。
ちょうど、地方紙の記者が取材に来ていて、その時お茶をごちそうになっていたんですが、逆にいろんな話を聞けて楽しかったです。
どんな絵なのか、しきりに聞く記者さんに、「あなたの見たままの感想を記事にしてください」とか、「自分の絵を言葉で伝えるのは難しい。言葉で伝えることが出来ないから絵を描いている」とのお話。なるほどな、と思いながら聞いていました。記者さんはだいぶ困っていたようですが…。
克芳さんも面白い方で、絵を見ている時間と同じくらい、お話する時間が長くなってしまいました。
こうして、作者さん本人と、絵のこと、私のこと、色々話ながら過ごすって事は、普通の美術館の展示会では出来ないことですし、すごく有意義な時間を過ごさせていただきました。



克芳さんのご厚意により、会場内の写真を撮らせていただきました。



また、機会がありましたら、作品を見にお伺いしたいです。ありがとうございました。