水戸芸術館現代美術ギャラリー
松井龍哉展「フラワーロボティクス」
ロボットデザイナー松井龍哉さんと、その創作活動の場でもある「フラワーロボティクス社」を紹介する展示会。美術館の中にフラワーロボティクス社そのものを創出し、まるで企業訪問、会社説明会のような雰囲気になっています。
ロボットだけではなく、様々なパブリックデザインの紹介も含めて、フラワーロボティクス社の企業理念や世界への貢献、企業戦略のプレゼンテーションを発表しています。
…。パンフの表紙モデルになっている、フラワーガールロボットのＰｏｓｙの扱いが小さっ！
展示室の一角、その中に箱を作って、順路とは逆側に中が見えるように隙間が切ってあるんですが…このレイアウトじゃ、全体像が見えません！
やや斜め横を向いた状態で立っています。全体が見えないので後ろ側の状態が全く分かりません。文字通り箱入り娘になっています。
う〜む、このパンフを見て来るお客さんは、とにもかくにもＰｏｓｙを見に来るんだと思うんだけど、この扱いじゃなあ…。せめて動いていればなあ。
結婚式場で、新郎新婦に花束を渡す、子ども達。天使の役目を持った子ども達をフラワーガールと呼びます。Ｐｏｓｙは、フラワーガールの役目だけを目的に作られたロボット。基本的に、近づいていって花束を渡すことしかできません。
それでも、式の雰囲気に馴染むようデザインされた姿は、どこか儚げで頼りなく、機械的なイメージを持ちません。
そんなＰｏｓｙだからこそ、ロボット対人間の感情表現。その一つの形になるかと思い期待して見に行ったんですが…。まあ、今回は本物が見られただけ良しとするか。
対価のあるデザイン。広告効果を高めるためのロボットというアプローチは面白く、可動型マネキンの「Ｐａｌｅｔｔｅ」の実演など、物を売るためのロボットと、その開発ってところに重点が置かれているような気がします。
「Ｐａｌｅｔｔｅ」、ショーウィンドゥのマネキンでありながら、お客の反応を見ながら様々なポーズをとる。カメラアイと連動しており、お客の視線、位置、リアクションの様子を判断し、もっともウケの良いポーズを自ら選んで披露するロボット。
彼女がショーウィンドゥに立てば、モデルを雇うより安価に商品の対価を上げられそうです。
Ｐｏｓｙでさえ、他企業とのタイアップ戦略に組み込まれており、イメージキャラクターとしての仕事についています。
ロボットが働くということ。けして万人受けする訳じゃないけど、高度な技術や経験が必要のない単純労働にどんどん食い込んで行くんでしょうね。
プロを使うまでもない仕事をロボットが奪っていく。なんかね、ＤＴＭソフトとして、疑似的に歌声を生成する初音ミクの立ち位置と同じ感じがするね。
基本的に、「フラワーロボティクスってこんな事をやっているんだよ！」という企業ＰＲ色の強い展示内容なんですが…ここは美術館ですよ？企業を紹介するんじゃなくて、作品を紹介して欲しかったんですが…。
ロボットの機能開発的な展示なら、無料で見せてくれる展示会がいくらでもありますし、企業ＰＲをわざわざお金を払って見に行く人もおらんでしょうに。
写真展示も、大きいモノとはいえず、最後の映像作品に至っては、まんま企業としての投資先のプレゼンでした。
言いたいことはよく分かるんですが、もう少し見せる事にサービス精神を発揮しても良いんじゃないですかねぇ。美術館に訪れる人は出資者じゃありませんよ？
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※この先ネタバレあり注意！
カフェコーナーにて、今回展示にそったスィーツが用意されていました。
スィーツ名「感覚の実験」
コの字がたアルミ材の上に乗った、小さな食べ物…スイマセン、コレはネタですか？何かのドッキリ？
８種類の、なんだかよく分からない食べられるモノ（見た目だけだと食べて良いのかワカランものもある…）
テーブルにレシピだけ書いてあったのでメモってみる。
・卵白、砂糖、蜂蜜、ホワイトチョコレート、ゼラチン
・砂糖、着色料、香料、甘味料
・薄力粉、ラード、砂糖、シナモン、アーモンド
・キャッサバ、ピーチリキュール、砂糖
・こんにゃく粉、砂糖、桃果汁、洋酒、香料、その他添加物
・チョコレート、生クリーム、蜂蜜、カカオパウダー、小麦粉、イカスミ、塩
・海水
・砂糖、アーモンド、卵白、レモン
…。これらのモノを、その手触り（！）舌触りを含めて楽しみ、インスピレーションへの手助けとなるように作られたそうです。てか、海水って？
その時の写真。なお、上の順番とは違います。
しばらく動けませんでしたよ！？コレのせいで見てきた展示内容が吹っ飛んでしまいました。
カフェの店員さんにスィーツの並びを聞いたんですが、レシピのメモをはがして見せてもらいました。わざわざスイマセン〜。
