いわむらかずお絵本の丘、もうひとつの美術館

annon2009-08-26

先日のコミケ申込みとか、ムササビの擬人化を題材にするとか、描きたいものがだんだんと固まっていく中、どうせ描くならある程度本物を意識したいなあ〜とかいう想いが出始めてきました。
それで、森の動物たちを描くなら里山。森の動物たちを題材にした絵本なら、いわむらかずおさんだな〜ってことで、お隣栃木県の那珂川にほど近い里山のてっぺんにある、「いわむらかずお絵本の丘美術館」に来てみました。

14ひきのとんぼいけ (14ひきのシリーズ)

いわむらかずお絵本の丘美術館
企画展「ぼくの庭」今森光彦・いわむらかずお二人展

自然写真家の今森光彦さんと、絵本作家のいわむらかずおさん。ふたりの観察、創作の場である「庭」=フィールドには、昆虫やムササビなど、たくさんの生き物たちが集まってきます。
(中略)
その庭から生まれた写真、絵本作品を一同に展覧します。
・パンフレットより。

ムササビなど!
うわ、まさにぴったりです。聞いた話によると、美術館の庭先にある巣箱にはムササビが住んでいるらしいとのこと。あ、会えるかな〜

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今森光彦さん。あんまりなじみの無い人だな〜とか思って見てましたが、机においてある昆虫の写真集をみて、一発で思い出しました。本人は知りませんが(失礼!)このカブトムシとかクワガタの本は見たことがあります!
琵琶湖周辺の里山を写した写真。その四季折々の変化、空気感の移り変わりなどが、しみ出すように広がっていきます。自然の中の一瞬。音すらも置き去りにしたような静寂、時間を切り取ったかのような風景がそこにあります。

いわむらかずおさんの絵も、長年里山での創作活動から得られた気づきの積み重ね。動物同士のつながりが、そこに住む作者や美術館関係者までも巻き込んで自然の一部として循環している様を描き出しています。

う〜む、半端な気持ちで「とりあえずなんか身につけて行こう」なんて思って来たわけですが、「里山とともに生活しないと見えてこないモノばかりだよ〜」なんて言われたような気分です。これは思ったよりタイヘンだ!

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タイヘンなんで、勉強するつもりは捨てて、お茶にしますw

黒糖と木の実のケーキ…あ、しまった。このケーキ、前回食べたものと同じだ。スタッフの方がテーブルに持ってくるまで気がつきませんでした。(遅っ!)
あ〜どうせなら違うの食べれば良かったかな〜。
前回食べたときの日記w

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ティールームの正面にある庭。その先に、巣箱があります。ベランダにあった望遠鏡を拝借して、接眼レンズにデジカメをくっつけて無理矢理撮影。

よくわかりません!
そういえばムササビって夜行性だったような…んじゃ昼間は寝てるわけか。姿は全然見えませんでした。
悔しいので、想像力だけで落書き。

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あとは、里山をグルッと巡るコースを歩いて行きます。この木々、草の下、木のうろ。小動物達の遊び場が目に入ってきます。あちこちのポイントをデジカメに納めていきます。少しは創作活動に役に立つといいなあ。

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さて。
この里山には、前から気になっていた美術館があります。
もうひとつの美術館

「もうひとつの美術館」は、栃木県那珂川町里山に建つ明治大正の面影を残した旧小口小学校の校舎を再利用して2001年に開設された小さな美術館です。ハンディキャップを持つ人の芸術活動をサポートしながら、[みんながアーティスト、すべてはアート]をコンセプトに、年齢・国籍・障害の有無・専門家であるなしを超え、アートを核に地域・場所やジャンルをつないでいく活動を行っています。
・ホームページより。

廃校になった小学校をまるごと利用した美術館。障がいをもつ方の作品の展示・収集をおこなっています。年三回の企画展のみ。常設展示をおこなっていないので、なかなか見に行けなかったんですが、ちょうど夏の展示時期に重なっていたため見に行ってみました。
鹿児島県にある知的障害者支援施設「しょうぶ学園」のアーティスト達が織りなす糸と糸の間。縫い物によるアート作品の展示がありました。
刺繍のように、糸を絡めて表現していますが、私たちがもつ規則性、被写体の模倣など、形を保とうとするのを放棄し、自由奔放に織りなした作品は、綺麗なだけの作品にはない新鮮な驚きがあります。驚きすぎてよく分かんないものもありますが、それもまた新鮮な出会いです。

あとは。静かにたたずむ木造の校舎。数年前には、子ども達の歓声も上がっていたであろう小さくて可愛い校舎には、ノスタルジーというか、切ない気持ちがわき上がってきます。並べられた小さい椅子。放置された机や跳び箱。子ども達が触れた記憶の一部が、建物を通してしみこんで来そうです。

私が卒業した小学校も木造でした。(卒業した次の年には鉄筋に建て替えられましたが)床のぎしぎし感とか壁の荒れ具合とか見てるだけで、なんか泣きそうです。
見られて、本当に良かったな〜。

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さて。旅の疲れは明日に残さないのが良い旅人ってモンです。

馬頭温泉ゆりがねの湯
里山のふもと。那珂川の畔にある町営温泉施設、ゆりがねの湯で旅の疲れをいやします。ここの温泉。お風呂から那珂川を一望出来る上に、露天風呂まであるのですが…これって、川の対岸からはまるみえですよねっ!
なんて大胆な温泉なんだかw。それでも夕暮れにふける那珂川を見ながら。最後の力を振り絞って鳴くヒグラシの声を聴きながら、旅の疲れを流していきます。
つか、今回、この里山だけで旅の目的を完結させてみました。あまり手を広げず、それぞれの施設での滞在時間を長く取る。それが短い時間を有効に使い、かつ思い出を深める手段になります。まあ、きちんと記憶に残って、それが作品に反映できるかは、これからの反芻次第なんですが、まあ、がんばってみよう!

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オマケ
こちらに来る途中で、休憩に立ち寄った道の駅、東山道伊王野で食べた「そば湯ゼリー」

風味豊かなそば湯を、寒天で固めてゼリーにしました。とのことでしたが…黒蜜ときな粉の味しかしません!
う〜む、まさか蕎麦つゆで食べるわけにも行かんわけだし、スィーツとしてはこれが正解なんだろうけど。まあ微妙な感じでした。
ちなみに100円です。