ストレスコーピング新春勉強会備忘録

当日開場で話し合ったことの備忘録です。
コーピングコーチに求められていること。

コーピングの基本:我々が指導するのではなく、本人に気づいてもらうこと。

? ストレスに気づいてもらうこと。
わたし、今ストレスだと感じること。
  それは 身体反応なのか、感情反応なのか。
  「心臓がしょっちゅうドキドキしているな」「なんとなく不安だな」
クライアントはそれが分かって面談にきている訳だが、それを聞きだせるように。

? 反応の除去(反応へのコーピング)緊急の場合
  緊急か、緊急でないか。(緊急:選手の試合前など。出る直前のコーピング)
  その反応のために、本来の大事な場面での力を発揮するために、深呼吸したりセルフトークを変えてもらう。

? 考え方のクセを整理(評価コーピング)
? 事実を見極める(事実(刺激)コーピング)
? 対処行動の計画をたてる(社会支援も含む。上司に相談を勧めたり、先生に相談してみたり、日付を決めてあげる)


ケース小学5年生の息子がいる母親で、学校でカンニングが発覚したパターン。
もしも「べき思考の母親だったら」
○「学校合わないんですよね、うちの息子には」
○ 本当の事実は含まれていない。「学校が合わない」を「刺激」として判断してはいけない。
○ 「学校が合わない」という言葉には、「事実」と「評価」が混ざっている。
○ 事実を聞き出す。事実「息子がカンニングをしてしまった(刺激)」ことにたいする学校対応の不満
○ お母様は「べき思考」だったので、「こんな(息子にたいする)対応をする学校は良くない」→学校が合わない

もしも「どうせ思考の母親」だったら。
○ 「うちの子もうダメなんです。」「親子とも学歴が合わないんです。」事実と評価が混ざっているので鵜呑みにしない。

もしも「過度な一般化思考の母親でしたら。
○ 「女はみんなこうだ」「普通それが常識でしょ?」という反応を出す人
○ 「私学校に嫌われているんですよ」「うちの子も私も学校に嫌われているのですよ。」

ストレスパターン判断
イライラ型→べき思考
おどおど型→どうせ思考
くよくよ型→過去執着思考
モンモン型→未来不安思考
へとへと型→完璧思考
※ 過度な一般化思考はこれらの思考のどれにも入る。

カウンセリングの持ってき方(ケース異動されたことで悩む社員)
○「どのようなご相談ですか」クライアントからの最初の相談。
○「もうちょっと詳しく教えていただけますか」相槌は、相手の言葉を繰り返す。
○「今の内容を繰り返しますが…」クライアントの相談の要点をまとめる
○「その(相談内容について)ご自身がどんな風に感じているかわかりますか」本人がどのようなストレスを感じているのか聞く。
○その内容から、ストレスを整理する。ストレスに気づく
○「いまの情報から言うと…」
○「それについて、疲れる?イラつく?」身体ストレスか感情ストレスか聞き出す。
○「その辛さは、具体的にはどんなですか」症状を聞き出す
○刺激と反応を分類する。
○「これからコーピングの視点からご説明しますけど(コーピングの内容説明)クライアントに対して、こちらがまとめた刺激と反応が正しいか整理してもらう。
過去の想い(前の仕事がよかったのに)
ストレスの事実(異動させられたこと)
いまの状況(現在の仕事について)
○ その状況に陥っているとき自分の中で繰り返しでている言葉(セルフトーキング)は何か聞く
○ クライアントの「考え方のクセ」を想像する。いままでの傾聴でクセを導き出せるようにする。

※ 思い込みから発生している問題だった場合。相手のもつ思い込みが美学だったり、一番引きずっていたいこと、だったりするので、安易に言葉にするのは注意が必要。
「それは思い込みですね」とは言ってはいけない
カウンセラーのベストは。
クライアント本人の口から、「あれ、それって私の思い込みですかね?」と言わせることがゴール。

簡単な手
「クライアントさんと同い年のお友達が同じ悩みを持っていたなら状態であったなら、どうします?(クライアントに客観視してもらう)もし、その悩みを相談されたら、なんて答えます?」
この内容をホワイトボードに描いてあげると、それをみたクライアントが「あれ、解決してますね」という事がある。

※ 企業内(人事が社員の活性化のために)のことであれば、結論を急いで提示することも手。なぜなら業務を滞りなくすすめるためにスピードが必要だから。ただし、一トレーナーとして相談されている場合は、「本人が自ら気がついた方がその人にとって自信になる」ので時間をかけることも大事になる。(誰かに言われた事は忘れやすい)
※ 主従関係にある場合は、容赦なく言う事もあり(誰に給料をもらっているのか!)
※ わざと怒らせて帰らせて、反応を見ることもあり。(べき論でつっかえす。アルバートエリスの論理療法)

クリオネ(自分の背後で客観視しているもう一人の自分)はいまの現状に対してどのように言っているか

今回の事例としては
■ 今の自分に満足するための方法を考える。
■ 過去の自分を考える必要はない
■ プラスになればいいのではない。問題を解決すること。そのことによって自信を持つこと。問題を解決するのに必要なのは、問題を解決できるという自信(根拠が無くてもいい)
■ (選手として)問題解決したあと、その結果で負けたとしても、そこから得ることは大きい。
■ いまある怒りのエネルギー、自信喪失のエネルギー、落ち込んでいるエネルギーを吐き出させてホワイトボードに書き出す。そのホワイトボードを示して「この(膨大な)エネルギー、どうやって使おうか?」
■ ストレスは感情エネルギー。エネルギーなので、人を暖めることも出来れば人を焼くことも出来るのがエネルギー。
■ 目標を持たせる。(企業の人は自分で目標を持つことができないから→企業目標もあるので)このホワイトボードに示したエネルギーを、その目標に費やす。自己向上。


次の日はたぶん元気になるだろう。なぜならば
○ 誰かに本音を聞いてもらった。
○ ストレスがあってもいいんだ。という理解を得られた
 落ち込んでもいいんだ、怒ってもいいんだ。単なるエネルギーの使い道だ